京野アートクリニック高輪

「人工授精の時のhCG注射」について(医師 町田真雄子)

産婦人科医師の町田真雄子です。

今回は、人工授精の際のhCG注射のタイミングについての論文をご紹介いたします。

Improved pregnancy rate with administration of hCG after intrauterine insemination: a pilot study;Reproductive biology and endocrinology 2010.8:18

通常、排卵する時にはLHというホルモンが脳から多量に分泌され、LHサージという状況を引き起こし、サージ開始から34~36時間後に排卵が起きると言われています。hCGはLHと同じ作用をもつホルモンで、日常診療において排卵をきちんとおこしたいときに用いられることが多い薬剤です。

フィンランドのJärvelä医師らはhCG投与のタイミングを人工授精(Intrauterine insemination:以下IUI)の32~36時間前ではなく、IUI後(この研究では3~5分後)にした場合に妊娠率が改善したと報告しています。
ほとんどの研究ではhCG投与して24~36時間後にIUIが行われており、これは自然周期ではLHサージ開始から36時間後(24~56時間の幅を持って)に排卵が起こるというデータに基づいています。しかし、この研究では1995年にWilcoxらの「妊娠は排卵日と予測される日を最後に6日間の間に性行為が行われたときに成立している」という報告をもとに、精子は排卵が起きる前に女性の生殖器官の中で待機しているべきであるとの考え方に基づいてhCG投与のタイミングをIUI後と設定しています。

結果は、hCGをIUIの24~32時間前に投与した群の臨床妊娠率が9.6%であったのに対し、IUI後にhCGを投与した群の妊娠率は18.3%であり、有意差を認めたということでした。この研究では、IUIの前後に夫婦生活をもつことを禁じていないため、どちらで妊娠できたのか検証されていないところもあり、すべての症例においてhCG投与の時期をIUI後にする根拠はやや乏しいかもしれませんが、個々の状態により投与のタイミングを使い分けていくことが重要と思われました。また、IUI時にすでに排卵していた症例の妊娠例もあったと報告されており、当院で日常患者様にお話しさせていただいている「IUIのときに排卵直後でも十分妊娠のチャンスはあります」という内容と同じといえます。
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