京野アートクリニック高輪

子宮卵管造影検査が甲状腺に及ぼす影響について

医師の町田真雄子です。

今回はリピオドールという脂溶性の造影剤を使用した子宮卵管造影検査後の甲状腺機能の変化について調査した論文をご紹介いたします。

Changes in Serum Iodine Concentration, Urinary Iodine Excretion and Thyroid Function After Hysterosalpingography Using an Oil-Solible Iodinated Contrast Medium(Lipiodol)
Terumi Kaneshige, Naoko Arata, Shohei Harada et al J Clin Endocrinol Metab, March 2015;100(3):469-472

 リピオドールを使用した子宮卵管造影検査(HSG)は、卵管の通過性を確認するとともに検査後に妊娠率、生児獲得率が上昇すると報告されており、妊娠希望で外来を訪れた患者様にまず行う検査の一つです。

 このリピオドールの中には甲状腺ホルモンの原料となるヨウ素という物質が含まれており、HSG後に甲状腺が影響を受けて甲状腺機能低下症になることがあるという報告があります(機序は明らかにされていませんが、過度の量のヨウ素は逆に甲状腺ホルモン合成を抑制してしまい、Wolff-Chaikoff効果と呼ばれています)。この論文では、HSG前後での血中ヨウ素濃度、尿中のヨウ素排泄量、甲状腺機能がどのように変化するかを調査しています。

 調査の対象者はもともと甲状腺の病気がなく、機能も正常である22人の不妊女性で、HSG前と、HSG後4,8,12,24週後に血中のヨウ素濃度、甲状腺ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、尿中のヨウ素排泄量を測定しています。結果は、検査前と比較して血中ヨウ素濃度、尿中ヨウ素排泄量、甲状腺刺激ホルモン(TSH)が4~24週間後いずれも高く、検査前の水準に戻ったのは平均41週間後でした。甲状腺ホルモン(fT3とfT4)はHSG前後で顕著な変化はありませんでした。22名中治療を必要とするような影響を受けた人はいませんでしたが、3名のTSHが一過性に基準値を上回ったそうです。

この研究は甲状腺機能正常な女性のみが対象でしたが、潜在性甲状腺機能低下症(fT3,fT4が正常範囲なのにTSHのみ基準値を超えている状態)の女性も対象に含めれば、HSG後の甲状腺機能異常はもっと起こっていたかもしれないので、HSG前に甲状腺機能の評価をしておくことは重要であり、また、検査後にも半年間は甲状腺の機能評価を勧める、と結論付けています。

当院でも、HSG検査前に甲状腺機能異常がないかどうかしっかり確認するようにしております。また、潜在性甲状腺機能低下症については仙台の京野アートクリニックの土信田医師が詳しく論文紹介していますので、そちらもぜひ参考になさってください。

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