京野アートクリニック高輪

「未成熟卵体外培養(IVM)」について

ネックレス.JPG当院に来院される方にはいろいろな方がいらっしゃいますが、その中に排卵がうまくいかない (排卵障害)の方も多くいらっしゃいます。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は全女性の4〜7%にみられる病態で、卵巣の多嚢胞状変化(月経中の小卵胞が多数)、月経不順(排卵障害)、ホルモンバランスを3つの主な特徴的な症状とし、月経不順の最も多い原因の1つです。

しかし、PCOS患者さんでは、内服の簡便な排卵誘発剤あるいはインスリン抵抗性改善薬などで排卵に成功することもある反面、内服薬が奏功せず、注射の排卵誘発剤使用においても、卵胞がうまく育たなかったり、逆に育ちすぎて重症卵巣過剰刺激症候群になるなどの副作用が出るリスクが高いのが特徴です。

そこで、排卵誘発剤を使用した卵胞発育を期待するのではなく、小さな卵胞をそのまま穿刺して未成熟卵を採取し、丸1日体外で成熟させた上で顕微授精を行う方法が「未成熟卵体外培養(IVM)」です。

この方法だと、卵巣過剰刺激症候群のリスクは0%であり、また頻回の通院や排卵誘発剤のコストも 必要なく、経済的身体的負担なく治療が行えるメットが大きい点で注目されています。
しかし、卵の成熟率、妊娠率の面で、今一歩従来の採卵(以後、通常IVFと表現しますが、これは、IVMに対してIVFと記載するものであり、媒精方法としてのIVFではないので、顕微授精も含みます)には及ばないとされてきました。

今回は、このIVMについて紹介します。

In vitro maturation as an alternative to standard in vitro fertilization for patients diagnosed with polycystic ovaries: a comparative analysis of fresh, frozen and cumulative cycle outcomes

Human Reproduction, Vol.30, No.1 pp. 88-96, 2015

【要旨】
2007年3月〜2012年12月の間に、PCOSで採卵を行った121人178周期についての後方視的検討。
内訳は、IVMが56人80周期、通常IVFが65周期98周期です。

新鮮胚移植において、妊娠率・流産率はIVMと通常IVF間で統計学的有意差はありませんでした(妊娠率は IVM 29.7%、通常IVF 36.2%、流産率は IVM 36.8%、通常IVF 19.0%)が、生産率(出産まで至った割合)で統計学的有意差がありました(IVM 18.8%、通常IVF 31.0%、p=0.021)。

凍結融解胚移植においては、妊娠率・流産率・生産率で差はありませんでした(妊娠率は IVM 35.5%、通常IVF 36.8%、流産率は IVM 33.9%、通常IVF 29.9%、流産率は IVM 4.5%、通常IVF 18.6%)。

累積妊娠率においては、妊娠率・生産率で統計学的有意差がありましたが(妊娠率は IVM 51.3%、通常IVF 65.3%、生産率は IVM 41.3%、通常IVF 55.1%)、流産率に有意差はありませんでした。

なお、移殖は1例を除いてすべて単一胚盤胞移植で行っています。

生まれた新生児に関する差はなく、OHSSの頻度は、IVMが0%に対して、通常IVFは7.1%でした。

【解説】
論文によると、IVMの方が通常IVFよりも新鮮胚移植における生産率、累積妊娠率・累積生産率で劣り、通常IVFの方が優れた治療方法であるような印象をお持ちになる方もいるかも知れません。

しかし、現在の治療の主流は凍結融解胚移植であり、その凍結融解胚移植においては治療成績は同等でした。
また、IVMでは身体的、経済的負担がないこと、OHSSの発生頻度が0%であること、自己注射が1回だけですむことなど、通常IVFにはないメリットも大きいことなどを考えると、IVMが非常に魅力ある治療方法であると言えると思います。

また当院の最近のIVMの成績は、新鮮胚移植で妊娠率30%、凍結胚移植で妊娠率60%と、この報告を大きく上回っており、他の治療方法と遜色がありません。

IVMは、このように優れた治療方法であるにもかかわらず、採卵技術、検卵技術(卵胞液から卵子を見つける技術)、培養のノウハウ、などが通常のIVFよりも高い技術を要求されるもの事実です。
それが理由でいわゆる有名クリニックでも実施していないクリニックが多いのが現状ですが、当院ではかなり以前より積極的に実施し、経験とノウハウを蓄積しております。

すでに当院に通院中の方はもちろん、まだ当院に通院されたことがない方で多嚢胞性卵巣症候群の方は、ぜひ当院でのIVMをご検討ください。

仙台でも高輪(品川)でも実施可能です。
通院回数が少ないため、遠方からの通院も可能と思います。
ご予約はお電話にて承ります(新患WEB予約も可能です)。

皆さまのお問い合わせを心よりお待ち申し上げております。

京野アートクリニック(仙台)
副院長 土信田 雅一
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