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医療コラム

コラム 2019.10.08

携帯電話などの電波による男性不妊への影響について

近年、世界的にも生殖能力の低下は指摘されていますが、その多くは「環境的な要因」が関係しているとも考えられています。例えば、昔と比べると、座って仕事をすることが増えましたが、座位の状態では精巣の温度が高まることが確認されており、決して精巣に対してポジティブな影響を与えないと考えられています。

最近のライフスタイルの大きな変化で切っても切り離せないのは、スマートフォンなどの「携帯電話」ではないでしょうか。

実はその携帯電話から発せられる電波が男性の不妊症に関係があるかもしれないという論文が近年になり報告されてきています。

今回は、このような日常生活でいろいろなものに使用されている電波が男性不妊症に影響を及ぼすかを調べた論文を紹介したいと思います。

 

Effect of Electromagnetic Waves from Mobile Phones on Spermatogenesis in the Era of 4G-LTE

BioMed Research International , Volume 2018, Article ID 1801798, 8 pages

Jong Jin Oh et al.

 

この研究では、電波に曝される時間と距離による精子形成への影響に着目しています。マウスを飼育しているケージの下に電波を発生させる機械を装着し、以下の条件で28日間実験を行い、精子形成に必要な細胞数を比較しました。

条件

グループ1:疑似処置

グループ2:機械とケージの距離3cm、1日6時間電波に曝す

グループ3:機械とケージの距離10cm、1日18時間電波に曝す

グループ4:機械とケージの距離3cm、1日18時間電波に曝す

 

結果は、精細胞数、精原細胞数、精母細胞数、精子細胞数、ライディッヒ細胞数といった将来的に精子になる細胞の数が他のグループと比較して最も機械との距離が近く長時間電波に曝されたグループ4で減少していました。このことから、電波に長時間にわたり曝されることで精原細胞の増殖・分化に影響があるのではと考えられました。また、距離が離れている場合や短時間電波に曝される程度なら大きな影響はないとも考えられました。

現時点ではあくまでもマウスでの研究であるため、それがそのままヒトにも当てはまるかどうかについてはわかりませんし、現実的には、一日中携帯電話と体がこれだけ密着している環境は考えづらいものとも思います。

しかし、男性の方々がよくズボンのポケットに携帯電話を入れたり、膝の上でPC操作をしているのを見かけます。ズボンのポケットや膝の上ということはそれだけ電波を発する機械が精子を作る精巣に近づくということです。これを機会に、少し面倒かもしれませんが携帯電話をカバンの中に入れるなど精巣から離して持ち歩いてみてはいかがでしょうか。

また、携帯の設定によっては、常時GPSをOnにしていたり、BluetoothをOnにしていたりすれば、その分使用される電波量は増えますので、気にされる方はOffにされることをお勧めします。

現時点では、精巣(精子)に対して悪影響を与える環境的な要因は加齢、BMI、ストレス、たばこ、酒、カフェイン、そして「温度」と考えられています。

当院のホームページの男性不妊症についてというページに「あなたの精子を守る10か条」というものがあります。そちらにも男性不妊症を予防するために気を付けることが書いてありますので、一読してみて下さい。

https://ivf-kyono.jp/medical/mensfactor.php

高輪培養部 角田迪瑠


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