コラム 2022.02.10
生殖医療相談士の越智と申します。
不妊治療の保険適用化が進む中で、突如出てきたように感じるこのワード
「先進医療」
について紹介いたします。
もともと医療の領域では多く使われているもので、これまでは、がん治療やアルツハイマーなどの領域で多く用いられてきました。
先進医療を捉える上では、
・先進医療に登録されれば、保険診療と併用して自費診療が受けられる
・先進医療に登録される=メリット、だけではない
ことの理解が必要です。
1つずつ解説していきます。
日本の保険適用の枠組みの中では、一定の有効性と安全性が評価された治療法のみ、
公的医療保険の対象となる仕組みになっています。
つまり有効性や安全性が評価されていない治療や検査は保険ではなく自費、ということになります。
まずこのように保険と自費とで2つに分けられていて、
この2つは混合してはいけないと言われています。
日本の医療は原則として、混合診療を禁止しています。
保険と自費とで分けた治療や検査を同じ周期に一緒にやってはいけないということです。
仮に混合診療をした場合にはどうなるのか。
例えば、保険の治療を受けていて、一番最後に自費の治療を受けたとします。
そうすると、それまでの治療が全て自費扱いになってしまい、患者さんの負担が大きくなってしまうということです。
ですが、有効性や安全性がまだ評価されていないとしても有望な治療はありますよね。
現時点で言えば、タイムラプスやPGT-A、ERAやフローラなどがその典型例かと思います。
そこで登場するのが先進医療という考え方です。
要約すると、先進医療というのは、自費の治療だけど混合してもOKという治療です。
保険と自費の間を支える制度になっていますね。
先進医療として承認された検査や治療であれば、患者さまは保険治療と同じ周期に、その検査や治療を実施しても、全てが自費になることはありません。
先進医療に登録されるためには、医療機関が代表して先進医療への申請を行います。
当院では現在、ERA、子宮内フローラを申請しています。
先進医療に登録されるためには、その有用性を証明するための「研究」が必要で、
事前にその研究についても厳しい審査を受けます。
承認され、実施となれば、研究参加を希望される方には、先進医療としてこのような検査をうけていただけるようになります。
研究には様々な条件がありますので、必ずしも全ての方々にお受けいただけるわけではありません。
また、よくも悪くもこの先進医療の費用は全国一律となります。
(高くなるか安くなるかはわかりません)
この研究によって、有効性が厳格に証明されなければ、その治療は保険収載されませんので、その後は自費での治療となり、既述の通り、混合診療はできないこととなります。
また、先進医療になるといっても、以下の点には注意が必要です。
・先進医療になるからといって、安くなるわけではない
・先進医療になるからといって、それがずっと続くわけではない
・先進医療になるからといって、全員が受けれるわけではない
最新情報を共有するセミナーも計画していますので、ご興味ある方はぜひ参加してみて下さい。
2/9に保険点数なども概ね明らかになりました。
最新情報を提供していきたいと思います。
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_PCdBAzK9Tv6_QXGG6KTVKg
診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)
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