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医療コラム

学会報告 2022.06.03

当院における社会的卵子凍結の現状

当院では、2014年から社会的卵子凍結を積極的に実施しています。

 

社会的卵子凍結は不妊治療というよりも、将来の妊娠に向けて、若い頃に卵子を凍結しておくことで、キャリアを築き上げながらも、加齢による妊娠率低下の影響を回避するために行われる治療です。

 

当院における卵子凍結の成績をご紹介させていただきます。

 

 

□卵子凍結の実施件数と患者さまの平均年齢□

2014年から2021年12月までに当院では403名の患者様に合計592回の卵子凍結を実施しています。

凍結時の患者様の平均年齢は38.9歳±3.7歳(24-50歳)です。

 

□年齢区分別□

より詳細に凍結時の年齢分布を見ていくと

 

となりますが、年々若年化の傾向が見られます。

 

 

□平均採卵個数と総採卵回数と平均凍結個数□

卵子凍結を行い、将来の妊娠の確率を高めるためには年齢に応じて、一定の卵子の数が必要となります。

そのため、重要な指標は採卵個数と採卵回数です。

 

当院では安全性を重視しつつ、できるだけ多くの卵子を一度の採卵で得られるように、卵巣刺激法を治療で用います。

 

1回の採卵あたりの平均採卵個数は

29歳以下:         5.5±3.4回

30-34歳以下:9.2±5.3回

35-39歳以下:7.4±4.8回

40-44歳以下:5.4±4.4回

45歳以上:         2.2±2.1回

 

平均採卵回数は

29歳以下:         1.3±0.6回

30-34歳以下:1.3±0.6回

35-39歳以下:1.4±0.8回

40-44歳以下:1.6±1.1回

45歳以上:         1.8±1.7回

 

平均凍結個数は、

29歳以下:7.3±1.5個,

30-34歳以下:11.3±5.6個

35-39歳以下:10.5±7.0個

40-44歳以下:8.6±6.6個

45歳以上:3.5±3.4個

 

となりました。

年齢が若いほど、採卵個数が多くなるため、採卵回数が少なくて済み、凍結個数も多くなる傾向が見て取れます。

 

当院では積極的にPPOS法を実施しております。

※PPOS法とは※

http://203.183.146.49/column/post-4399/

 

□融解後の成績□

当院で卵子凍結を実施した患者様のうち105人がパートナーを得ており、そのうち60人が卵子を融解して使用しています。

60人の凍結時の平均年齢は39.1歳±3.0歳、融解時年齢が42.1歳±3.0歳でした。

およそ2年半から3年程度の凍結保存期間があったということがわかります。

 

60人のうち、21人が妊娠し、14人が出産または妊娠継続中でした。

融解利用した患者さまあたりの妊娠率は35.0%となります。

(標準的な体外受精の成績と比較しても遜色のない数値です。)

 

また、融解利用したもののその卵子では妊娠に至らなかった患者さまのうち、

6人は、人工授精や体外受精などの方法で出産または妊娠継続中でした。

卵子を融解していない45人のうち、15人がタイミングや人工授精、体外受精で出産または妊娠継続中であることもわかりました。

 

 

卵子凍結を行うことによって、将来の妊娠が確約されるわけではありませんが、

若年での卵子凍結により、将来の妊娠・出産に向けた選択肢が確実に広がっているように考えられます。

 

当院の理事長 京野廣一の卵子凍結に関する書籍は以下からご確認いただけます。

https://onl.sc/6JbjBjm

 

また、2022年6月より卵子凍結に関する費用を変更しております。

以下からご確認いただけます。

http://203.183.146.49/medical/price/


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診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)

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