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医療コラム

コラム 2022.10.24

保険診療で正しい男性不妊治療を~保険診療のいいところイマイチなところ①~

2022年4月から不妊治療が保険診療化されました。
良いことも多いのですが、少々大変なこともできてしまいました。今回はちょっと愚痴っぽくなるかもしれませんが、そのお話をしていきます。

保険診療の大前提

保険診療はご存じの通り、病気やけがで困った時に、我々がみんなで納めた保険料を使って医療費の負担を少なくするシステムです。勝手気ままに好きなだけ使えるのではなく、医療者側には使うための理由の提示が必要となります。これを『適応』と言います。
例えば、胃がんの患者さまには治療に必要な場合は胃がんの手術をするでしょう。これは適応があるので保険が使えます。しかし、胃がんでない人が、がんが見つかる前にどうしても胃がんの手術を受けて胃をとりたいと言っても適応がないので保険は使えません。
これと一緒で保険を使うためには、不妊治療でも適応の判断が必要になります。

不妊治療がほかの保険診療と決定的に違うところ

病気は個人のものです。Covid-19のように人に感染し、社会的にも他人の行動に影響する場合でも、病気の治療自体はその人自身のことになります。
未成年でも親は保護者として治療の選択などに関わりますが、治療を代わってあげることは出来ません。
しかしながら、不妊治療は恐らく日本で初めて二人で関わる治療として位置づけられました。つまり保険診療を行う場合、二人で関わることを義務付けられました。

保険診療をするために求められること

自費の頃は希望で治療方針を決めていたので、段階的に進める方もいれば、いきなり体外受精・顕微授精を選択する方もいました。今回の保険診療で求めらえていることは、二人の状態と経過などを勘案し、適切な治療を選択する事です。つまり『適応』です。
カップルで受診し、検査を受け、それを把握したうえで治療計画を立てなければなりません。前述の自費のような「希望でこの治療を」ということは難しくなってきました。
もちろん適応があれば体外受精や顕微授精から開始する場合もあります。

治療計画書と治療期間の制限

治療をする前に、二人で一緒に治療の計画を聞いて了解したというサインも必要になります。これは必ず同席が求められます。就労年齢の方が同席はなかなか厳しいと思いますが、厚労省から求められているので反故にはできません。どうしてもの場合は女性側がメインの際は男性はTV電話で参加も可能です。
タイミング法・人工授精の場合は3ヶ月、採卵や移植の場合はその移植が終わるまでが治療期間となりますが、その期間は女性側は自費診療が出来ません。男性側も自身の治療で精索静脈瘤手術などを計画した場合は治療期間は保険診療のみとなります。
保険診療はまだ不十分で必要なものすべてをカバーできておらず自費でやらなければならない検査もあります。治療計画をとるまでにそれを済まさないと、後になってからでは出来なくなってしまいますし、その前であっても保険診療と自費診療は同じ日にはできないので、非常に煩雑になりどうしても受診回数が増えてしまいます。

男性へ伝えたいこと~不妊治療は二人で~

今回の保険診療化でやや大変なことが増えました。

自費の時代には、初回に精液検査と採血だけ来て、その後一度も受診しない男性もいらっしゃいました。そういった方は採卵の日などは精液を妻が持参して治療していました。
しかし、今回共に話を聴かなくてはいけないとされたために、一緒に参加して意見が言える機会が出来たと考えていただきたいと思います。不妊治療は妻の治療のように見えますが、やはり僕も二人の治療だと思います。男性もたくさん受診しているので、気恥ずかしい感じも軽減されています。
男性不妊症の担当からすると、男性の治療を行うことは成功への道のりが短くなることと考えています。
ぜひ男性にも積極的に不妊治療に参加していただきたいと思います。

京野アートクリニック高輪

医師部 田井俊宏


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