1. TOP
  2. 医療コラム
  3. BMI値が妊娠転帰に与える影響

医療コラム

論文紹介 2019.02.05

BMI値が妊娠転帰に与える影響

 みなさんはご自身のBMI値をご存知でしょうか。
BMIとは肥満指数と呼ばれ、身長に対して健康的な体重であるかどうかを知る目安となります(もっとも疾病の少ない理想的なBMI値は22 kg/m2と言われています)。以下のような簡単な計算で求めることが出来ます。

BMI(kg/m2)=体重(kg)÷身長(m) ÷身長(m)

今回はこのBMI値に注目した論文をご紹介させて頂きます。

Extremities of body mass index and their association with pregnancy outcomes in women undergoing in vitro fertilization in the United States
Jennifer F. Kawwass, M.D.,a,b Aniket D. Kulkarni, M.B.B.S., M.P.H.,b Heather S. Hipp, M.D.,a,b Sara Crawford, Ph.D.,b Dmitry M. Kissin, M.D., M.P.H.,a,b and Denise J. Jamieson, M.D., M.P.H.a,b a Division of Reproductive Endocrinology and Infertility, Department of Gynecology and Obstetrics, School of Medicine, Emory University; and b Division of Reproductive Health, National Center for Chronic Disease Prevention and Health Promotion, Centers for Disease Control and Prevention, Atlanta, Georgia

こちらの論文は2008年から2013年の間にアメリカで体外受精を行った女性のBMI値と妊娠転帰の関係をNASS(アメリカの国家的ART監視システム)に登録された膨大なデータを用いて調べたものです。

調査の結果、妊娠転帰に最も良い結果をもたらしたのは標準体重の女性です。
標準体重のなかでも特にBMI値19.0 kg/m2~22.9 kg/m2の女性で妊娠率が46.1~46.3%と高くなっていました。
低体重状態では標準体重と比べて妊娠率・出生率の低下がみられ、低出生体重児・早産のリスクの増加との関係が示唆されています。
肥満状態では妊娠率・出生率の低下、低出生体重児・早産・流産リスクの上昇など、ほぼ全ての結果で悪影響を及ぼしていることがわかりました。
特にBMI値が40.0 kg/m2以上では妊娠率が38.8%まで低下がみられています。

以上の事から、低体重や肥満など極端なBMI値は体外受精を受けている女性の産科転帰に大きく影響を与えているといえるでしょう。

当院ではBMI値17 kg/m2未満、および30 kg/m2以上の方には栄養指導などを通して健康的な体重を目指すためのお手伝いをご提案させて頂く場合があります。ご自身だけで体重管理を行っていくのが難しいと感じる場合、ぜひお気軽に当院スタッフに御相談下さい。一緒に健康的な体重を目指していきましょう!

高輪培養部 前川


診療時間

診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)

診療時間
7:30〜16:30
(最終予約 15:00)
AM
のみ
火曜は 7:30~12:30(受付は11:00まで)で診療いたします
日曜は 8:30~14:00(受付は12:00まで)で診療いたします
祝日も休まず診療いたします
診療内容によって予約可能時間が異なります。
不明点はスタッフまでお問い合わせください。

ご予約・お問い合わせ

03-6408-4124

お電話受付時間
月・水〜土:
8:00〜16:30
火:
8:00〜12:00
日:
8:30〜12:00
祝日は曜日に順じます
当院ではお電話での待ち時間短縮と対応品質向上のため、自動音声による目的別案内システムを採用しています。
2022年3月卒業予定者対象