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医療コラム

コラム 2019.08.13

妊孕性温存に対する不妊助成はある?

がん患者による妊孕性温存を目的とした精子、卵子凍結があります。

それについての公的助成制度の現状が、先日読売新聞に掲載されていました。

 

現在、がん治療後の妊娠の可能性を残すために精子、卵子凍結などの妊孕性温存を行うことが増えています。

妊娠を保証するものではありませんが、抗がん剤や放射線により生殖機能の低下の恐れがあることから有用と考えられています。

年齢は様々ですが、AYA世代と言われる思春期から若年成人が多くみられます。

AYA世代の患者は、小児や年長成人と異なる特有の心理・社会的問題があります。

治療により学業や就労が遅れたり、中断させられることで人生設計が狂わされる可能性があります。

若年成人の場合、仕事と治療の両立が困難となり、経済的困窮に直面したり、病気の先行き不安、家庭の不安と重なることで強度の精神的ストレスを抱える場合が少なくありません。

そこに治療による不妊のリスクが加わり、妊孕性温存についても考えなければならないことでさらに負担を増やします。

医療費、生活支援で活用できる公的制度、資源は多数あります。

しかし、妊孕性温存に対する不妊助成は限られた地域のみです。

 

凍結保存にかかる費用は1回数万〜数十万円であり、公的医療保険は効かない状況です。

経済的理由から妊孕性温存を断念するケースもあります。

 

経済的負担を軽減するため、現在6府県(埼玉、岐阜、滋賀、広島、京都、香川)がすでに公的助成制度を導入しており、2019年度中に創設を予定しているのは神奈川、静岡、三重、和歌山、高知の5県。

2020年度以降、創設予定のあるのは茨城、長野、長崎の3県だそうです。

 

妊孕性温存に対する公的助成制度

創設予定 都道府県名
既にある 埼玉、岐阜、滋賀、広島

京都、香川

2019年度中 神奈川、静岡、三重、和歌山、高知
2020年度以降 茨城、長野、長崎

2019.7.4 読売新聞掲載内容より

 

私自身、妊孕性温存に対する公的助成制度があることを今回初めて知りました。

自治体によるばらつきがあるのが現状ですが、少しずつこのような動きが拡大していくことにより

望む治療が経済的な理由により出来ないということが少しでもなくなっていけばと考えます。

                                         仙台看護部   佐藤 可奈子

 

参考文献: AYA世代がんサポートガイド

平成27-29年度厚生労働科学研究費補助金

「総合的な思春期・若年成人世代のがん対策のあり方に関する研究」班 編

金原出版株式会社

 


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