学会報告 2019.08.13
先日の受精着床学会で理事長の京野廣一が発表した演題について紹介したいと思います。
1983年、日本で初めての体外受精から35年が経過しました。
その間、未受精卵子、卵巣組織、精子の凍結後の出産も多数報告され、「凍結」は今では生殖医療に不可欠な技術となりました。
2016 年の日本産科婦人科学会のデータでは実に約 83% が凍結胚による出産(約40,000人の赤ちゃん、下の図の赤のグラフ)とされています。
特に日本では、多胎妊娠の防止のために、各医療機関が徹底してガイドラインを遵守していることから、今後も凍結保存の技術の重要性は一層高まるものと思われます。
一方、生殖医療専門医の急病・急死や高齢化による廃院により凍結物対応の問題が散見される他、
2018年 3 月には米国で LN2 tank(凍結保存に使用する液体窒素タンク) 事故により数千の受精卵・卵子が失われたというニュースがありました。
日本は特に地震、台風など自然災害の多い国であり、その対応も不可欠です。
悪性腫瘍患者の妊孕性温存も拡大しており、 0 歳から 15 歳未満の小児がん患者にも実施されることから、
数十年単位での長期保存が必要となるのは言うまでもありません。
当院では、東日本大震災の際にも、対策の結果一つの受精卵や卵子・精子を損なうことがなかったということもあり、この先を見据えた凍結保存の安全性の確保について提案をいたしました。
重要なポイントとして
を提言しました。
もちろん当院では上記のような点も包括的にケアできるような対応をしています。
これからも安心・安全な医療が継続できるようにして参りたいと思います。
診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)
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