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医療コラム

コラム 2019.12.17

妊活中にご夫婦でできること~ヨガと生殖補助医療~

不妊症の原因は、女性側に焦点が当てられがちですが、実は約半数が男性側にも原因があることが明らかとなっています。そのため、ご夫婦での治療が大切です。もちろん、当院の治療だけでなく、ご自身で体質改善できることもたくさんあるかと思います。そこで、今回は妊活中にご夫婦一緒に取り組めることとして、運動の観点からご紹介したいと思います。

不妊症カップルにおけるヨガと生殖補助医療の成果

ヨガは、3月のコラムで妊活中の運動のひとつに紹介されているように、基礎代謝を上げ妊娠しやすい体づくりとして注目を集めています。では、具体的にどのような改善が期待できるのでしょうか。

REVIEW ARTICLE

Yoga Can Improve Assisted Reproduction Technology Outcomes in Couples With Infertility

   ~ヨガは不妊カップルの生殖補助医療成績を改善する~

Altern Ther Health Med. 2018 Jul;24(4):50-55.

Sara Darbandi et al.,

 

こちらの総論は、1978年1月から2016年1月に発行されたヨガと不妊症に関する87もの論文を集計したものになります。ヨガが男性と女性の生殖能力と生殖補助医療(ART)の結果に及ぼす影響を調べたところ、ARTの成功率を高めるのに役立つことが明らかとなりました。その具体的な効果をみていきましょう。

女性不妊とヨガ

ストレスホルモンは、流産率に強く関連していることが明らかとなっています。したがって、ストレスの少ない生活は、妊娠成功につながると考えられます。さらに、妊娠高血圧症の減少や胎児予後の改善などが報告されています。

男性不妊とヨガ

男性でも同様に、ストレスの軽減となり精液所見の改善につながります。また、ヨガは精子DNAにおいて、酸化ストレスを減少させ、老化を遅らせる効果があるということです。老化防止の観点では、女性にも同じことが言えます。ヨガを通してしっかりと深い呼吸を行うことは、臓器が十分機能するために適切な酸素とエネルギーを与えることが出来るのです。

最後に、この総論には不妊症に効果的なヨガポーズも報告されていましたので、代表的なポーズをご紹介します。ヨガは、ただポーズを行うだけでは効果はありません。ポーズに至るまでのほぐしや呼吸の整え方、その後のクールダウンまでの手順が大切です。興味のある方は、是非一度インストラクターのレッスンを受けてみたり、自宅用にDVD付きの書籍を購入してみたりすると良いでしょう。

①戦士のポーズ

②コブラのポーズ

なかなか時間が取れなかったり、行動に移すのが億劫な方には、鼻から息を大きく吸い、目を閉じて、口から細く長く息を吐きだすことを数回繰り返すだけでもリラックスできると思いますので、ぜひ試してみてください。

無理をして取り組むのではなく、快適な範囲で楽しみながら取り組めるのが理想的ですね。

ヨガ、漢方、アーユルヴェーダ、心身リラクゼーション療法などの体質改善・マインドフルネスへの取り組みが、近年生殖補助医療の世界でも導入され始めており、当院でも漢方や鍼灸を取り入れ、患者様の体質改善に取り組んでいます。この機会に、ヨガや当院の漢方・鍼灸を試してみてはいかがでしょうか。

 

高輪培養部 石井


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診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)

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