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医療コラム

コラム 2020.04.21

妊活・妊娠中の食事と栄養摂取について

妊活・妊娠中に意識して摂りたい栄養素の中で、代表的なものは鉄・カルシウム・食物繊維・葉酸があげられます。厚生労働省により、1日の食事摂取基準が定められていますが、妊活・妊娠中の女性の平均摂取量は大きく下回るといわれています。皆さま意識して食事をとられていますでしょうか?忙しさもあり、なかなか食生活に意識がまわらない方もいらっしゃると思います。しかし、妊娠中はもちろん、妊娠前からバランスの良い食生活を心がけ、健康なからだづくりをしていくことが必要です。日本人女性は特に、葉酸と鉄が不足しがちといわれていますので、今回はその二つの栄養素について、また、比較的取り入れやすい食事例についてお話していきたいと思います。

葉酸は二分脊椎などの神経管閉鎖障害の発症リスクの低減のため、妊娠1か月以上前からの摂取が推奨されています。妊活中の女性の葉酸の推奨摂取量は1日あたり640μg(食事性240+サプリメント等から400μg)、妊娠中は480μgとなっています。サプリメントを飲んでいる方は多いと思いますが、食事面ではいかがでしょうか?葉酸は、枝豆・ほうれん草・モロヘイヤ・干し椎茸・焼きのりなど様々な食材に含まれています。しかし、葉酸は加熱に弱い水溶性ビタミンのため、調理過程での損失が大きいです。そのため、調理する際はゆでるのではなくラップ等に包んで電子レンジで調理するなどの工夫が必要です。

鉄の1日の摂取推奨量は、30代女性(月経あり・妊娠なし)で10.5mg、妊娠後期には21.5mgとなっています。鉄が不足するとヘモグロビンの生成が妨げられ、鉄欠乏性貧血となります。特に妊娠期において鉄欠乏性貧血は多く、妊婦検診の際、検査結果によって治療がおこなわれます。鉄にはヘム鉄(動物性食品に多く含まれる)・非ヘム鉄(植物性食品に多く含まれる)があり、それぞれ吸収率が異なります。ヘム鉄の方が吸収率が高いのですが、一般的に非ヘム鉄を食事から多く接種しているのが現状です。そのため赤身の肉や魚などの動物性食品を上手に取り入れるような工夫が必要です。また、非ヘム鉄の吸収率はたんぱく質やビタミンCの摂取量が増加すると高まることから、食品の組み合わせに配慮すると良いでしょう。

普段の生活において、食事に対しても熱心に取り組んでいる方、料理が苦手であったり忙しさから食事に関して意識できていない方、様々いらっしゃるかと思います。以前、栄養についてのセミナーを受講した際に、管理栄養士の先生が実際におこなっている栄養指導例を教えていただきましたので、一部紹介したいと思います。

 

朝食を食べない、菓子パンが多いなど食生活に対しての意識が低い方

・1週間に1日でいいので朝食にヨーグルト、バナナなどを食べるようにする。

・朝食にパンのみ→パンにチーズを乗せる。ゆでたまごと野菜ジュースや豆乳を加える。

・菓子パンよりはライ麦パンに変えてみる。

食生活に対して意識はしているが料理が苦手な方

・週末時間があるときに作り置きをし、忙しい時でもバランスの良い食事がとれるようにする。調理した野菜を冷凍しておくだけでも良い。

・買う食材を週ごとに変えてみる。→月単位でみるといろいろな栄養素がとれる。自炊が難しければスーパーのお惣菜でもOK。

例)ごはん+いわしの缶詰+野菜が入った味噌汁(缶詰は使い勝手がよく、魚の骨まで食べれるのでカルシウムがたくさんとれる)

加工食品を食べたらカルシウムを接種する。(加工食品に含まれるリン酸塩はカルシウム吸収を阻害してしまう)

食生活に対して意識も高く、料理も得意な方

・一汁三菜、一汁二菜を目標にする。

・お魚を積極的にとるようにしましょう。

ただし、毎日完璧にする必要はありません。

例)ししゃもは3尾食べれば1日分のカルシウムがとれます。

 

食事は継続しないと良い効果が得られません。継続・習慣づけられる目標を設定することが大切です。参考になりましたら、ぜひ取り入れてみてください。ここまで食事についてお話してきましたが、栄養素の推奨量を食事から接種し続けるのはとても難しいことだと思います。不足分はサプリメントを活用し、無理なく栄養を補っていきましょう。

高輪メディカルアシスタント 鈴木優美

参考文献・参考資料

厚生労働省

・日本人の食事摂取基準 2020年版

・妊産婦のための食生バランスガイド

・妊産婦のための食生活指針「健やか親子21」

バイエル薬品ホームページ https://www.elevit.jp/

・エレビット:葉酸とは 食べ物・種類・適正量


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