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医療コラム

コラム 2020.05.07

子宮内膜症と不妊について

子宮内膜症とは、本来は子宮内腔にしかないはずの子宮内膜がそれ以外の場所で発生してしまった疾患です。違う場所に発生した子宮内膜であっても女性ホルモンの影響を受け、月経と同様に出血するため、発生した場所で痛みや癒着を起こし月経痛や排便痛の原因になります。主に卵巣や子宮がある骨盤内に発生しますが、稀に腸や肺にも発生します。好発年齢が30代前半であり、子宮内膜症があると不妊になりやすいことが分かっています。

診断は経腟超音波で卵巣にチョコレートのう胞(卵巣にできた子宮内膜症病変からの出血がたまった状態、血液が古くなりチョコレートのようになる)があれば診断できますが、確定診断にはお腹の中を直接カメラで覗く腹腔鏡検査が必要です。原因不明不妊と診断された方にこの腹腔鏡検査を行うと、約3割に子宮内膜症が見つかります。

治療はこの10年ぐらいで飛躍的に進歩しました。内服治療薬が開発され長期にわたり、副作用が少なく子宮内膜症を抑え込むことができるようになりました。また10年前までは、チョコレートのう胞を見つけるとすぐに腹腔鏡手術で正常卵巣部分を残し、チョコレートのう胞だけを摘出する手術を行うことが当たり前でした。しかし、その手術によって正常卵巣部分も摘出され、残りの卵子数が著しく減少することがわかり、将来の妊娠・出産を考えれば、できる限り卵巣には手をつけない方が良い、という考えに変わってきました。

子宮内膜症の治療方針決定には考慮すべき3本の柱があります。

1症状 2 癌化 3不妊です。

この全てを考慮して治療法を選択します。挙児希望がなければ、前述の内服薬で抑え込み、定期的に癌化の徴候がないか観察する事になりますが、挙児希望があると違ってきます。内服薬は排卵が止まってしまい、治療中は妊娠ができないからです。

子宮内膜症による不妊原因は骨盤内での炎症により卵子や精子の質が落ちたり、癒着によって卵管機能を物理的に阻害したりすることが考えられます。不妊治療法を考えると骨盤内で受精や胚発育が必要なタイミング法や人工授精より、体外で胚を発育させ子宮内に戻す体外受精の方が問題解決への近道になります。体外受精を選択しない場合を考えると4-6ヶ月ほど内服薬で治療し、骨盤内の炎症を改善してからタイミング法や人工授精を行うこと、腹腔鏡手術で骨盤内の病変をできる限り小さくしてからタイミング法や人工授精を行うこと、などが考えられます。チョコレートのう胞が5〜6cmを超えると癌化の可能性が生じるので腹腔鏡手術を行ってからの治療が勧められます。実際にはこの他に年齢や他の不妊原因なども加わり、それぞれで治療方針は異なってきます。

子宮内膜症は何もせず月経があるだけで悪化する疾患です。月経困難症がある方は放って置かずに産婦人科受診をし、不妊治療を一定期間休む場合も子宮内膜症治療は行うことをお勧めします。

京野アートクリニック盛岡 院長 熊谷

 


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