コラム 2020.12.14
漢方をはじめとした東洋医療は年々増加している印象がありますね。健康な体作りを行うことは、妊娠しやすい体づくりにもつながります。
不妊治療において漢方の観点で意識してほしい大切なポイントが「気・血・水」の3つです。これらは人体を形成する要素であり、これらがバランスよく体内を巡ることで臓器や各組織、ホルモンバランスが正常に働き、妊娠に向けた体作りに有用であると考えられるそうです。このことから当院では漢方を用いて患者様の身体の不調を取り除き、妊娠に向けた体作りのサポートをしています。
★あてはまるものはありますか?
・冷え性
・生理痛がひどい
・子宮筋腫、子宮内膜症がある
・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された
・生理周期がバラバラ
・月経前症候群(PMS)の症状がひどい
・痩せor肥満傾向
・卵巣機能の衰えが気になる
・頭痛、胃腸障害、皮膚症状など普段から身体に不調がある
⇒1つでも当てはまるものがある人は漢方相談を受けてみてもいいかもしれません。
漢方の効果が出る期間は年齢・経過・基礎疾患にも左右されるため人それぞれですが、1ヶ月~半年で効果を感じてもらえることが多いそうです。すぐに効果が出るものではないので、早めに相談してもらうことをお勧めします。
漢方といえば味が苦手という方も多いかと思います。しかし体質に合った処方であれば比較的苦にならないと感じる方も多く、錠剤・丸剤・散剤・煎じ薬と様々な形態があり選んでいただくこともできるそうです。おいしくないものを何か月も継続するのは苦痛でありストレスになってしまうかと思います。そういった方は是非相談してみてはいかがでしょうか。
中医学では、陰(潤い、つや)と陽(熱エネルギー)が卵の成長に必要と考えます。
この陰と陽は加齢に伴って減っていきますが、現代の女性は陰虚が著しく現れている方が多いそうです。
今回はいくつか漢方薬の効能についてご紹介します。
これは卵の質の改善を目的に使用されています。卵が取れるけど変性卵が多い、質が悪い、遺残卵胞ができやすいということの改善にもつながります。
陰の不足があると更年期の様な症状(ほてり、ホットフラッシュ、低温期でも体温が高い)などがあります。そのような方は卵の質が低下することが多いです。
これら腑の各々の弱いところに合わせて免疫を調整する作用があります。当院ではNK細胞活性が高値になっている方へ処方していることが多く見うけられます。気血水スコアが低下することでNK細胞活性が低下する報告があるので、その他の処方と組み合わせて気血水スコアの改善を目指します。
☆様々な組み合わせ
・胃腸虚弱の方(腎の不調が強い場合)
⇒補中(ほちゅう)益(え)気(き)湯(とう)等の煎じ茶など+シベリア霊芝(腎)or木鶏丹(肝)
・半表半裏症(表にも裏にも不調の症状が出ている場合)
⇒柴(さい)胡(こ)桂(けい)枝(し)湯(とう)+シベリア霊芝
・肝の不調が強い方(PMSがひどい、生活上のストレス過多等)
⇒加味(かみ)逍遥散(しょうようさん)等+シベリア霊芝(腎)or木鶏丹(肝)
・年齢が高い方で陰虚体質の方
⇒星火亀鹿仙+婦(ふ)宝(ほう)当帰(とうき)膠(こう)+シベリア霊芝(腎)or木鶏丹(肝)
その他血虚体質、痰湿の体質、それぞれの複合的な体質、予算等で処方は変わっていきます。
これはほんの一部で他にもたくさんの漢方がありますので、不妊治療がなかなかうまくいかずにお悩みの方は一度相談してみてはいかがでしょうか。高輪院ではウィメンズ漢方より住吉先生に来ていただき漢方外来を基本的に水曜日に実施しており、今後オンライン診療を用いて、仙台や盛岡の患者様にもお届けできればと検討を重ねています。
楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。
高輪看護部MA比嘉怜花
診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)
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