よくあるご質問 2020.12.31
通院の度に採血をしている・・・そのように感じている患者さまは多いかもしれません。今回は採血の際によくいただく質問についてお答えしたいと思います。
一般的に体内の血液量は、体重のおよそ1/13(男性で体重の約8%、女性で約7%)と言われています。体重50kgの場合、男性で約4000ml、女性は約3500mlの血液が流れていることになります。
採血量は検査項目によりますが、性ホルモン検査の場合は4ml程度であり、小さじ1杯にも満たない量です。
また血液は毎日新しく作られています。
採血で貧血になることはありませんので、ご安心ください。
特に女性のスクリーニング検査は項目数が多いため、その分採血本数も多くなりますが、量で言うと20ml強(大さじ1.5杯)程度です。
ちなみに男性のスクリーニング検査は、女性と比べて項目数が少ないため10ml(小さじ2杯)程度です。
末梢血一般、感染症、麻疹・水痘・風疹抗体、抗精子抗体、血液型、肝機能、腎機能、甲状腺機能、凝固系、心電図、血圧…とたくさんの項目を検査します。
スクリーニング検査(自費)には大きく3つの目的があります。
①不妊原因を調べる
不妊の原因はたくさんありますが、スクリーニング検査では抗精子抗体の有無、血液の凝固機能や自己抗体の有無、クラミジア感染の有無など不妊の原因となりうる要素をスクリーニングいたします。
②当院の治療が安全に行える状態であるか調べる
感染症がないか、内臓機能や血液の状態が健康な状態であるか、さらに、麻酔や投薬ができる状態か調べます。
③安全に妊娠し出産できる状態であるか調べる
自己抗体の有無や甲状腺機能、血液の凝固機能などを調べて流産の可能性となる原因はないか、また風疹などの抗体の有無や内臓機能、血液の状態、血圧など安全に妊娠継続できる状態にあるか調べます。
スクリーニング検査では以上について事前に調べることで必要時事前対応を行い、より早く妊娠に至れるようにサポートを致します。
スクリーニング検査のみではすべての不妊原因を把握することはできません。
患者さまそれぞれの状態や治療方針によって適宜追加の検査を行います。
状況に応じて、看護師が対応させてもらうこともあります。
採血は痛みを伴う分、不安をもつ方は少なくありません。患者さまが安心して採血を受けられるよう心がけておりますので、採血について疑問や心配事などありましたら、採血スタッフにお気軽にお声掛けくださいね。
なお、不妊治療の保険適用に伴い、保険での「術前検査」を実施しております。
この検査はスクリーニング検査とは異なりますので、ご注意ください。
仙台検査部 嵯峨真奈美
診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)
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