コラム 2022.10.17
みなさんご存じのように今年4月より不妊治療が保険診療化されました。
多くの話題は女性側の治療に向いていますが、男性側もいくつかの変化がありましたので数回に分けて解説をしていきたいと思います。
今回は保険診療に伴うお金の話1回目です。
このコラムをご覧になっている方々で、入院や手術を経験された方は少ないかもしれませんが、医療費が高額になった場合、高額療養費制度として保険診療の自己負担額には上限が発生します。日本の保険システムは3割負担を基本としていますが、ひと月ごとに上限が決められており、自己負担金が大きくなりすぎないようになっています。
たとえば医療費が100万円の手術をうける場合、自己負担3割で30万円程度になります。しかし、高額療養費制度が適用されれば被保険者の所得水準によりますが、9万円弱で収まる場合もあります。
例)年収約370万円~770万円の場合 (厚生労働省資料より転載 一部改変)
出典:厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)
これらの制度が4月より不妊治療にも適応されました。
男性の治療での大きな変化は、精巣内精子回収術(Simple TESE、micro TESE)が保険適応されたことです。無精子症に対する染色体検査やAZF遺伝子検査なども保険診療が可能になりました。TESEでは精子が見つかった場合の凍結保存料も保険での手術代金に含まれています。
もちろん以前より保険適応となっていた精索静脈瘤手術も引き続き保険対応されています。
いままで補助金を受けても自己負担が大きかった無精子症の検査やTESEは自己負担が大きく緩和されたと考えられます。
出典:厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)
しかしながら、保険であってもTESEを女性の治療を行っていない病院で施行した場合、婦人科のクリニックへの精子の搬送が伴います。残念ながら搬送は保険適応されておらず自費になります。また、搬送先の病院の判断によっては再度自費による凍結保存料が必要になる場合もあり、負担が増えてしまいます。もちろん搬送による破損や劣化のリスクもあります。
男性のTESEから女性のICSIを一連の治療として同一病院で行えることは、これらの余計なコストやリスクを排除できるだけでなく、最短期間で効率的に治療を計画的に進めていくうえでも有利になります。
診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)
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