コラム 2022.11.21
2022年4月の不妊治療保険診療化からED治療薬が保険適応化されました。
徐々に認知されてきており、患者さんからの問い合わせも増えてきましたが、まだまだマイナーなジャンルですので、処方できる場合や条件、期間などをご説明したいと思います。
日本で使えるED治療薬は3種類あります。
バイアグラ(シルデナフィル)、レビトラ(バルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)です。先発品に加え各種ジェネリックもあります。
今回保険適応されたのはバイアグラとシアリスです。ジェネリックは適応されていないので、先発品のみになります。バイアグラはODフィルムの剤型もあります。
当院ではバイアグラ50mg:1380円/錠(3割負担:414円/錠)とシアリス20㎎:1530円/錠(3割負担:459円/錠)を採用しております。
薬の特徴などは次の記事で説明します。
今回の保険適応の条件はやや厳しめに感じました。やはり無条件に処方が乱発されるのを厚労省が危惧したのだと思います。
その条件を厚労省の文書よりかいつまんで説明します。
保険適用の対象となるのは、勃起不全による男性不妊の治療を目的として一般不妊治療を行う場合
投与を行う医師は、原則として、泌尿器科での5年以上の経験が必要。
処方できる患者は、EDガイドラインに従い、勃起不全と診断された者。
他の医療機関で不妊症の治療をしている患者に対し、紹介を受けて本製剤を投与する場合は、紹介元の施設と連携、情報共有を行える体制を有することが必要。
本製剤を投与される患者又はそのパートナーのいずれかが、本製剤の投与日から遡って6か月以内に、医科点数表区分番号「B001」の「32」一般不妊治療管理 料又は医科点数表区分番号「B001」の「33」生殖補助医療管理料に係る医学的管理を受けていること。
1回に処方できるのは4錠以下、かつ1周期当たりも4錠以下。
基本的に処方できるのは6か月間まで。特殊な事情があっても1年間が上限。
と諸々条件が出ています。
一般不妊治療とはタイミング法などをさします。採卵から連なる体外受精・顕微授精は含まれません。つまりEDが不妊の原因だから、EDの治療が不妊を解決する場合には使っていいということです。
当院は泌尿器科は5年目以上なので問題ありません。しかし、婦人科の医師が処方することは原則できません。保険診療希望の方は泌尿器科外来に受診が必要になります。
当院は初診時の問診表にED問診も組み込んでおります。当院泌尿器科医は日本性機能学会専門医でもあり、その結果と当日の診察で勃起障害の判断を致します。
当院は泌尿器科がありますので原則院内で処方を行いますが、もちろん泌尿器科がない不妊クリニックもあります。その場合は不妊クリニックと連携の契約を行った泌尿器科クリニックで保険の処方が可能です。基本的には不妊クリニックから泌尿器科あての紹介状が必要になると考えた方がいいと思います。
これは一度読んでもイマイチわかりにくいですが、まとめるとパートナーか本人が半年以内に不妊クリニックで何らかの治療をしていた、もしくはしているということです。これが①とつながって現在は一般不妊治療をしていることが保険で処方できる条件になります。これにより誰にでも処方出来るものではなくなっています。
不妊治療は女性の月経周期に合わせるので、1周期約1か月になります。周期当たり4錠、1回の処方で4錠まで出せるということは、1か月に4錠まで処方できることになります。
投与期間は基本的に6か月までになります。例えば2022年6月に処方を始めたとすると、2022年11月まで毎月4錠ずつ処方できます。もし8月に処方しなかった場合に、9月に8錠出したり、12月に4錠出したりは原則出来ません。
6ヶ月という期間は一般不妊治療の適応期間を考慮した期間と考えられます。もしそれで妊娠が成立しない場合は別の方法をご提案させていただきます。
京野アートクリニック高輪
医師部 田井俊宏
診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)
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