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医療コラム

コラム 2023.02.23

漢方外来より:花粉症に関して

こんにちは。

立春を過ぎたにもかかわらず、まだまだ本格的な寒さが続いていますね。

先日から少しずつ、「花粉症っぽくなってきました・・」とご相談を受けることが増えました。

今年の花粉の飛散量は例年よりも多いとのことで、お悩みの方には、お辛い時期かと思います。

 

花粉症は、「免疫のバランス」が関わっていることは広く認識されています。

加えて、漢方医学・中医学においては、

春は「肝」の働きが活発になり、体にたまった毒素を外に出す期間と考えられており、

身体に溜まった毒素を排出しようとして、花粉症の症状が出やすくなると考えられています。

 

つまり、

・身体の中に花粉、その他のアレルゲンを入れないようにする

・免疫の調整力をつけること

が大切と考えます。

 

そのためには、鼻や喉、皮膚のバリア機能が

正常に働いてくれるよう、自分で調整できる身体作りが必要です。

漢方医学・中医学では、

このバリア機能のことを「衛気」と呼び、この「衛気」を高めてくれる漢方薬をよく使います。

 

妊活中の女性の中には、

花粉症の症状が出るとお薬を手放せないから、春は妊活をお休みされるという方も多いです。

花粉症があるからと言って、「妊娠しない」という事はありません。

 

私達がご相談を受ける中で、

「花粉症のお薬を飲んでもいいですか?」というご質問をよく頂きます。

 

まず、市販のお薬(抗アレルギー薬)は、

タイミングを取った後や移植周期には、自己判断での服用は控えた方が良いでしょう。

(※病院で処方されるお薬でも、抗アレルギー薬はなるべく控えた方が良いとお話ししています。ただし、服用をしていたら絶対妊娠しないということではありません。)

 

そして、「漢方なら大丈夫!」と思われている方もとても多くいらっしゃいますが、控えて欲しい成分の入ったものもありますので、注意が必要です。

例えば、妊娠中でも花粉症の薬として処方されることのある処方に「小青竜湯」があります。

 

でも、実はこの「小青竜湯」は、妊活中、妊娠中に長期の服用は避けて頂きたい処方の一つです。

小青竜湯は、水のような鼻水が出るのを改善させてくれる発表作用(体を乾かす作用)があります。(基本的には、五臓六腑の「肺」に作用する処方です)

 

妊活中に、この処方を多用することで、頸管粘液まで乾かしてしまいます。

頸管粘液は、精子が子宮に辿り着く為に、とても大切です。

それを失ってしまうのは、妊活中、特にタイミングを取る際には、避けたいですよね。

 

妊娠中、胎児に影響があるかどうかはもちろん大切ですが、

妊活に対する影響も、注意して頂きたいことの一つです。

 

お薬を服用する他、日々できることとして

具体的には、

・「気」を養うために、胃腸の負担を避ける

 →胃腸にやさしい食生活を心がけましょう。紫蘇や香味野菜の摂取はお勧めです。

・「肝」の不調を取り除くために、ストレスケアをする

 →自分自身がリラックスできることを生活の中に取り入れましょう。

などがあります。

 

まずはできることから始めてみてはいかがでしょうか。

気になられる方はぜひお気軽にご相談いただければ幸いです。


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