コラム 2023.05.11
日本産科婦人科学会が5月8日にノンメディカル卵子凍結についての東京都への申し入れを行いました。
https://www.jsog.or.jp/modules/news_m/index.php?content_id=1372
ここでいうノンメディカルな卵子凍結というのは、文字通り医学的でない、ということで、
社会的適応卵子凍結や選択的卵子凍結などという表現がされています。
申し入れの内容は非常に示唆に富むものでしたので、一部紹介したいと思います。
日本産科婦人科学会としては、
1. あくまでも当事者の選択に委ねられる事項である。
2. 推奨しない。
3. 本会は、当事者女性、社会に対して正確な情報提供(動画)を行うことが必須。
4. 本会は、希望者は本会の動画を視聴し、その内容を理解・納得して行うかどうかの決
定をすることを推奨する。
5. 卵子などの保存が、本会生殖補助医療登録施設と関係なく希望者と会社の契約という
ような形で行われ、医療者の手から離れる可能性があることについて十分に検討する
必要がある。
と表明しています。
卵子凍結の技術そのものは一般的には確立された医療として知られていますが、
一方で利用者が少ないという継続的な課題があります。
当院では、副院長の橋本朋子が昨年の受精着床学会などでも発表しています。
https://ivf-kyono.com/column/post-5378
今回の申し入れでは、卵子凍結は患者さん(当事者)の自由で主体的な判断に委ねられるということが強調されています。
また、施設要件に対しても言及しています。
特に強調されているのは、
としています。
卵子凍結は適応の違いはあれど、医学的適応も社会的適応も行うことは共通していますし、
凍結後利用する際には、生殖補助医療が必須となります。
そうした観点からも非常に的を射た施設要件ではないかと考えられます。
卵子凍結の領域は異業種や新規の参入が多く、安価に提供する施設も出てまいりましたが、
あくまでも医療であり、品質と安全性は欠かせません。
当院でも早くから社会的適応の卵子凍結は実施しておりますが、こうした点に改めて留意しながら進めてまいりたいと思います。
生殖医療相談士
越智将航
診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)
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