コラム 2018.12.04
今回はスクリーニング検査で検査している末梢血という項目についてお話しさせていただきます。
はじめに、少し体内の血液についてお話します。人間の血液量は体重の約8%を占めており、体重1kgあたりで換算すると約70mlの割合になります。日本人の成人女性の平均体重は53㎏なので体内には約3,710mlの血液があり、成人男性の場合平均体重は66㎏なので体内には約4,620mlの血液があります。スクリーニング検査で採血する血液量は女性で20mlくらい、男性で10mlくらいなので、採血管が多く、驚かれる方もいらっしゃいますが、身体に影響があるほどの血液量を採血しておりませんので、ご安心ください。
次に、末梢血という検査についてお話しさせていただきます。末梢血は主に血液の状態を確認する検査になります。赤血球(RBC)やヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット(Ht)は貧血や血液の濃縮具合を見ています。白血球(WBC)は体内に侵入した病原体などから体を守る役割があり、白血球数は風邪などの体調不良や炎症反応で高値になります。
スクリーニング検査では現在の血液状態を見させていただくために末梢血検査を行っていますが、採卵後でも末梢血検査を実施しています。採卵後なので身体に炎症反応がないか、血栓症に繋がる血液の濃縮が起きていないかを確認する目的で検査を行っています。色々な場面で出てくる末梢血検査ですが、様々な目的をもって実施されています。
余談ですが、体内に存在する鉄の量は約3000~4000mgあります。鉄は血液1ml中に0.5mg含まれているため、出血は鉄を失う原因となります。
女性は月経があるため、個人差はありますが毎月30㎎の鉄を失ってしまい、慢性的に鉄が不足していると言われています。また、鉄分は子宮内に粘膜を作る大事な役割があります。
体内の鉄分はヘモグロビンとして血液中に蓄えられていますが、食事などで摂取する鉄分が減り続けた場合、体内に貯蔵されている鉄から鉄分を補給します。
この体内に貯蔵されている鉄の量を反映する項目をフェリチンといいます。
フェリチンは妊活に大きく影響し、妊娠を考えている女性であれば、最低でもフェリチンが30~50ng/mlは必要と言われています。
当院でもフェリチンの検査を行うことが可能なので、気になる方はお尋ねください。
診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)
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