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医療コラム

コラム 2024.03.05

保険診療で正しい男性不妊治療を 妊孕性温存のはなし① 妊孕性温存とは

最近話題の妊孕性温存 気にはなるけど言葉がとにかく難しい・・・

「妊孕性温存」と検索すると、「小児・AYA世代のがん治療対する妊孕性温存の助成金について」や、「精子凍結・卵子凍結に係る費用への助成」・「凍結精子・凍結卵子を使用した生殖補助医療への助成」などと厚労省や東京都などのHPが出てきます。1)2)
読んでみようにも言葉も難しいし、文章は長いしで良く分からない方も多いのではないでしょうか。
何回かに分けて、現在の妊孕性温存のシステムや、助成金、現在できることやこれから期待できることなどについてまとめていきたいと思います。

まずは読み方と言葉の意味

いくつか聞きなれない言葉があり、ただでさえ難しい文章がさらに分かりにくくなっている気がします。
この話をするうえで知っておいた方がいい言葉をまずはいくつか上げてみます。

  • 妊孕性(にんようせい):妊娠するための力のこと。精子や卵子の有無や機能、生殖器や性機能、妊娠に関わるホルモンの作用等も含まれます。

  • 妊孕性温存(にんようせいおんぞん):加齢や病気の治療などによって、失われてしまう妊娠する力を、何らかの方法によって保存する事です。
    体の老化やダメージを抑えて妊娠できるようにすることとは違い、精子や卵子を凍結保存することなどで行います。

  • 社会的妊孕性温存:年齢や、仕事、ライフスタイルなどによってすぐに妊娠を望まないものの、将来的には妊娠したい、その時に年齢などの不安要素を出来る限り払しょくしたい、といった要望に応えるためのものです。
    基本的に女性が対象となり、年齢的に高くなってしまう前に卵子を採取し、凍結保存しておくことで、卵子を加齢から守ることを指します。

  • がん治療に伴う妊孕性温存:ここでいうがんの治療は、妊娠する力を下げてしまうような副作用があるものをいいます。化学療法(抗ガン剤・ホルモン療法)、性器周辺にあたる放射線療法、一部の手術などがあります。
    そういった治療が必要な患者さんに対し、精子や卵子・卵巣を治療の前に採取し保存しておくことで、治療の悪影響から守り、治った後に改めて子供を作る能力を残しておくこと指します。

  • AYA世代(あやせだい)Adolescent&Young Adult(思春期・若年成人)の略で、15歳から39歳の範囲の年齢層のことを言います。

  • がんサバイバー:「がんになって生き残った人」と直訳できますが、がん治療を終えた方だけでなく、がんと診断されたばかりの方や、治療中や経過観察中の方なども含みます。一昔前は「がんになって治れば多少の障害は仕方ない、命があっただけ儲けものだ」という考え方は確かにありました。それくらいがんは難しい病気でした。しかし、現在は治療の進歩によりがんの生存率も上がっています。そのため、がんだけでなくすべての病気で治った後も、身体的だけでなく、社会的にも満足度の高い生活がおくれることが重要になっています。

妊孕性温存の適応年齢

やはり実際の年齢が妊娠が困難な年齢になってしまうと妊孕性温存を行うメリットは薄くなってしまいます。特に年齢の変化は女性で顕著です。
現在、小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業では42歳まで、東京都の社会的妊孕性温存の卵子凍結への助成金は18歳から39歳までになっています。
次から、社会的妊孕性温存と癌の妊孕性温存について、具体的にどのようなことが出来て、どのくらいのメリットがあるのかを説明したいと思います。

1) 厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_byoin_00010.html
2) 東京都HP
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/09/15/05.html


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診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)

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