コラム 2018.09.11
現在、関東を中心に風疹が流行っていることをみなさんご存知でしょうか。
国立感染症研究所の発表によると、2018/8/13から8/18の間に、風疹42例、麻疹1例の感染が確認されています。感染地域としては千葉県9例、東京9例と関東地方に多く、年齢は40代で16例、50代で9例、30代で8例と生殖年齢での感染も報告されています。
今回は、麻疹・風疹ワクチンの重要性についてお話していこうと思います。
当院で実施しているスクリーニング検査の中に、麻疹・風疹抗体の項目が含まれています。以前に麻疹・風疹に感染したことやワクチンを接種したことがあると、体の中に免疫(抗体)ができます。抗体がない場合や低値の場合は今後感染の可能性があります。
空気感染、飛沫感染、接触感染いずれでも感染し、感染力はとても強いです。10~12日の潜伏期を経て、発熱・咳・鼻汁・結膜充血などのカタル症状が発症、その後口腔粘膜に白い粘膜疹(コプリック斑)が出現、顔面や体感に発疹が出現します。妊婦が感染すると、流産・早産に至ることもあります。
飛沫感染で感染力は麻疹よりは弱いです。14~21日間の潜伏期を経て、淡紅色の発疹が全身に出現します。発疹は3日程度で消失するが長期になることもあります。発熱は約50%程度にみられ、リンパ節の主張が認められます。妊娠初期に感染してしまうと、赤ちゃんに先天性風疹症候群(CRS)を引き起こしてしまう可能性があります。3大症状として先天性の心疾患・難聴・白内障があります。
当院では麻疹や風疹の抗体が低値の場合は、妊娠中感染した際の重症化や流早産、胎児への影響を考慮し、ワクチンを接種してからの治療をお勧めしています。
しかし麻疹・風疹は生ワクチンという病原体を無毒化あるいは弱毒化された抗原を投与するので、接種後は感染しているのと同様の状態になります。そのためワクチン接種後、女性は2ヶ月間避妊が必要となります。避妊期間中の採卵―受精卵凍結は実施可能ですのでご相談ください。男性の方は避妊の必要はありませんのでどの時期でも接種可能です。
ワクチンは当院にはございませんので、お近くの内科などでの接種をお願いしております。
また、ワクチン接種後に再度抗体検査なども実施できますので、何かワクチンについてご不明なことがありましたら、医師や看護師へご相談ください。
参考文献
ワクチンのすべて 公益社団法人 日本産婦人科医会 平成23年10月
国立感染症研究所 感染症発生動向調査
仙台看護部 海藤
診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)
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