コラム 2018.05.28
今回はDダイマーについてです。
採血時に患者様からよく「Dダイマーってなんですか?」と質問を受けることがあります。
Dダイマーとは血液の線溶現象を調べる検査です。Dダイマーの血中濃度の上昇は、線維素溶解(線溶、フィブリン溶解)が進行中であることを証明し、血栓塞栓症や凝固性亢進状態に付随するその他の症状の特徴であるフィブリン血栓が形成されたことを示します。
不妊治療にて排卵誘発剤を使用した場合の副作用として卵巣過剰刺激症候群(OHSS)があります。その重症例として血栓症などの生命に関わる合併症に進展することもあるため、早期に発症を把握して治療をする必要があります。OHSSが重症でなくても血栓症が起こることもあります。
血栓症のモニタリングとしてDダイマーは非常に有用です。早期から検査を行い、且つこまめにモニタリングし、必要時早期から血栓症予防の薬(内服、注射)を開始することが有効かつ重要です。
血栓症を予防するために、治療開始前に問診とスクリーニング検査(血栓性素因を把握する検査も含む)を行っています。必要に応じて、血栓症を予防する薬(内服、注射)を処方したり、総合病院を紹介するなど、適切な措置を講じます。ただし血栓症の発症を完全に予防することは困難です。ふだんから水分を多めにとって脱水を避け、適切な食生活や運動を心がけてください。
排卵誘発剤に限らず、ピル(プラノバール、マーベロン)や黄体ホルモン製剤の一部も血栓症のリスクが考えられます。下肢の痺れや浮腫みなどの症状が気になる場合は、来院の際スタッフにお問い合わせいただくか、お電話でご相談ください。
また、血栓症の発症には以下の症状(ACHES)と関連することが報告されています。ACHESを感じたら、薬剤を中止し、救急外来を受診してください。
参考文献
日本生殖心理学会誌 Vol.1,No.1,2015
「血栓症と生殖補助医療」 京野アートクリニック 京野 廣一
仙台検査部
診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)
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