コラム 2018.03.20
こんにちは、生殖心理カウンセラーの菅谷典恵です。
生殖医療を受けている夫婦をテーマとしたドラマが放映されています。
患者さまのお話しでたまたま話題になると、
という方もいらっしゃいますが、
という方も多くいらっしゃいます。
自分にとって真っ最中のことにあまり関わりたくない、というお気持ちは当然だと思います。
自分とテーマの距離が近すぎますよね。
「今まさに、自分に起こっていること」と向き合うというのは大変なことです。自分だけの殻の中に閉じこもって、じっと考えたいときもあります。まだどうなるかわからないことを人に話すと、大切な気持ちが漏れて行ってしまいそうに感じることもあります。
私はクリニック内で日々患者さまのお話しをうかがっています。当院に通院されている患者さまは、何らかの形で「カウンセリングも利用してください」というメッセージを受け取られていることがあるかもしれません。
しかし、「今まさに、自分に起こっていること」である治療に関することを、人に話す気分にはなかなかならなれないことも承知しています。うるさくお感じでしたら申し訳ないなと感じています。
実際にカウンセリングにお越しくださる方々は、もちろん治療のことも話されますが、「過去のこと」を話されることがとても多いです。自分の中では過ぎ去ったことだけれども、振り返って話してみたくなることが意外に多いのかもしれません。
カウンセリングとは、辛いことを話さないといけない場ではありません。「今の私が話したいことを話す」これがカウンセリングです。
3月11日が今年も過ぎました。7年経ちました。
7年経っても話せないことや自分の中では終わっていないことも、世の中にはたくさんあると思います。そして、7年経ったから話せるようになってきたこともあることでしょう。
また、毎年3月11日や、自分にとって重大な出来事があった日が近づいてくると苦しくなる方もいらっしゃると思います。これは「記念日反応」と名前が付けられていて、ごく当たり前の反応です。ひとつのきっかけからいろいろなことが想起されて、記憶がよみがえるのです。
生殖医療でもしばしば起こりえます。
という感じです。
いつまでが自分にとっての真っただ中なのか、いつから過去のことになっていたのか、振り返って考えてみないとわからないと思います。
自分の中で何かが過去になり誰かに話してみたくなったら、カウンセリングがあったなと思い出してください。当院では治療が終わった後のフォローとしてもカウンセリングがご利用いただけます。
「今やってるドラマは観たくない」
ごもっともだと思います。
もちろんご覧になっている方も、ご主人に一緒に観てもらいたいと思っている方も、ご主人が観てくれなくて悲しい方も、ご自分のペースでお付き合いされれば良いと思います。
どうぞご自分の気持ちを大切になさってください。
生殖心理カウンセラー 菅谷
診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)
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