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医療コラム

コラム 2018.02.06

卵管鏡下卵管形成術(FT)について

卵管狭窄や卵管閉塞と診断された場合、卵管鏡下卵管形成術(FT)といって狭くなっていたり、詰まっている卵管を通すために行うカテーテル手術があります。

FTのメリットについて

  • 日帰り手術で、身体的な負担が少ないこと
  • 保険適応で高額療養費制度の対象となるので体外受精に比べて経済的負担が少ないこと
  • 卵管性不妊のみが不妊要因の場合は一般不妊治療での妊娠も可能となること

などがあります。

当院の治療成績・妊娠率について

当院では2012年からFTを開始しており、累計648症例を実施しております。そのうち、全妊娠例が223例ありますので、妊娠率は34.4%となります。妊娠例の中には、その後体外受精などを施行した方もおり、一般不妊治療(タイミング、人工授精)に限ってですと、概ね22%程の妊娠率となります。

不妊症ではない方の自然妊娠の確率が20%程度と考えられていますので、卵管鼠径部の狭窄や閉塞に関しての治療としては、非常に有効ではないかと思います。

また、FT後に妊娠される方の多くは術後半年以内で妊娠することが多いことがわかっており、治療計画の参考にしていただければと思います。

費用について

高額療養費制度というのは、医療機関や薬局の窓口などで支払った額が、同じ月内で一定の自己負担限度額を超えた場合、その超えた金額が払い戻される制度です。

あとから払い戻されますが、一時的な支払いは患者さまの大きな負担になりますし、支払われるまで3ヶ月ほどかかります。

そのため、当院では事前に申請して窓口に「限度額適用認定証」を提示していただくことにより窓口で支払う負担を、自己負担限度額までにとどめることができる高額療養費の現物給付を奨めております。

事前に申請することにより、通常3割で片側約14万円、両側約28万円かかる手術が所得に応じて自己負担限度額で済みます。自己負担限度額は個人の所得額に応じて異なります。

所得区分 自己負担限度額
年収 約1,160万円以上の方 約 260,000円
年収 約770万円~約1,160万円の方 約 180,000円
年収 約370万円~約770万円の方 約 87,000円
年収 ~約370万円の方 57,600円
非課税者世帯等の方 35,400円

限度額適用認定証の申請方法は、どの医療保険制度に加入しているかで窓口が異なります。お持ちの保険証で、保険者の名前を確認していただき、記載されている保険者や市区町村の国民健康保険課の窓口までお問い合わせいただくようになります。発行期間もそれぞれで、即日~7日程度で発行されることが多いようです。

また、FTは民間の医療保険(生命保険)の手術給付金の対象となるのが一般的です。保険会社書式の診断書の記載が必要な場合は受付窓口へご提出ください。

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受付部 村上典子


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診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)

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