論文紹介 2024.07.24
今回は、年齢や季節など様々な要因が精子DNAの断片化に及ぼす影響について調査された研究をご紹介します。
文献URL
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37280171/
年齢や喫煙の有無、熱が精子DNAの断片化に影響を与えることは、いくつかの文献で指摘されています。一方で、精子DNAがダメージを受けていると受精率や受精卵の発生に悪影響があるとされていますが、臨床の場で精子DNAが評価される機会は多くありません。筆者らは、1503人の集団を対象に精子DNAの断片化を評価し、年齢や季節、地理的位置などとの関連性を調査しました。
2018年3月から2020年3月にイランの研究所に紹介された患者1,503名から、放射線療法や化学療法などを行っている患者を除外し、最終的に19歳から59歳の1,191人を対象としました。
調査の結果、以下のような結果が得られました。
・精子DNAの断片化に最も影響を及ぼすのは年齢である。
・未熟な精子の割合は加齢とともに減少傾向を示した。
・秋冬と比べて、春夏に処理された検体では、DNA断片化指数と未熟精子の割合が有意に高い。
・都市部に住む男性よりも農村部に住む男性のほうがDNA断片化指数は高値だった。
※季節と居住地に関する結果については、この研究が行われたイランが暑く乾燥した地域であることと、イラン農村部では農薬や除草剤への暴露が多いことを考慮する必要がある。
・精子形成率や精子の質の低下と関連することが知られている5つの要因として、糖尿病、おたふくかぜ、アルコール摂取、喫煙、薬物がある。そのうち、おたふくかぜは、DNA断片化指数の上昇と精子運動率の低下、正常形態率の低下に有意に関連している。
文献の内容は以上です。
年齢が最も精子DNAのダメージに影響しており、場合によっては生活環境も影響する可能性があるとのことです。当院では男性不妊の治療にも力を入れておりますので、お気軽にご相談ください。
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