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ヒアルロン酸を用いた精子選別はICSIの結果を向上させる | 不妊治療 京野アートクリニック高輪(東京 港区 品川)
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医療コラム

論文紹介 2024.08.20

ヒアルロン酸を用いた精子選別はICSIの結果を向上させる

こんにちは。仙台培養部の山口です。

今回は「ヒアルロン酸を用いた精子選別がICSIの結果を向上させる」という論文を紹介します。

 

ヒアルロン酸と精子には密接な関係があります。射出された精子の中には受精する準備が整っていない未熟な精子と受精する準備が整った成熟精子がいます。通常のICSIではどれだけ熟練された技術を持った培養士でもこれらを見た目で判断することは難しいです。

そこでヒアルロン酸を用いた精子選別を利用してICSIを行うという方法があります。これは、成熟した精子は頭にヒアルロン酸とくっつく酵素を持っていることを利用して、ヒアルロン酸が含まれた培地に精子を添加し、結合している精子をICSIに利用するという技術です。

この論文では、ヒアルロン酸精子選別を行ったICSIと通常のICSIとで胚発生過程や妊娠率、着床率、流産率、出生した胎児への影響などを比較し、実際にどの程度違いがあるか研究されていました。

 

【研究対象】2010年-2020年にICSI周期を行い、続けてそれぞれICSI、ヒアルロン酸ICSIを行ったカップル167名

グループ1  ICSI周期不成功 → ICSI周期

グループ2  ICSI周期不成功 → ヒアルロン酸ICSI周期

 

【結果】

ヒアルロン酸ICSIをしたカップルは胚の分割率、良好胚率、胚盤胞到達率が有意に高くなりました。また、着床率、妊娠率も有意に高くなり、流産率は有意に低くなりました。また出生時の新生児体重と妊娠期間を比較しましたが有意差はなく、ヒアルロン酸ICSIの新

生児への影響は確認されませんでした。

 

グループ1 グループ2 p値
1st ICSI(a) 2nd ICSI(b) 1st ICSI(c) HA-ICSI(d) aとb比較 cとd比較 bとd比較
分割率 95±17 90±24 95±16 98±11 0.026
良好胚盤胞率 46±39 52±34 54±41 66±35 0.034 0.033
胚盤胞到達率 32±38 46±30 17±25 44±25 0.002
着床率 3(5/179) 9(16/187) 6(7/115) 25(38/152) p<0.0001 p<0.0001
妊娠率 6(5/85) 14(12/85) 7(5/69) 34(32/93) 0.001 0.003
流産率 100(5/5) 5(10/187) 0(0/115) 17(26/152) 0.0003

p<0.05で有意差あり。(Table2を一部改変)

現在、このヒアルロン酸ICSIは先進医療として保険と併用することが出来ます。ただし厚生労働省が定めた適応症例は “胚移植を受ける不妊症患者のうち、胚移植後に反復して流産を認めたもの、あるいは奇形精子を伴うものに限る” と明言されています。

全ての方が対象となるわけではありませんが、ARTを行う上で参考になればと思い、今回紹介させていただきました。

保険適用で不妊治療を行う上で、実施回数には制限があり、一回がとても貴重です。

そのため、患者様のお立場で考えますと、できうる限りの対策をして、最高の結果になるようにと考えられる方も多くいらっしゃいます。

今回ご紹介したヒアルロン酸ICSI以外にも京野アートクリニックでは多くの先進医療などのオプションがございます。

治療で悩まれている方はぜひご相談いただければと思います。

 

論文タイトル:Hyaluronic acid-sperm selection significantly improves the clinical outcome of couples with previous ICSI cycles failure

著者:Paola Scaruffi, Francesca Bovis, Ida Casciano, Elena Maccarini, Caterina De Leo, Irene Gazzo, Claudia Massarotti, Fausta Sozzi, Sara Stigliani, Paola Anserini

 


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診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)

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