論文紹介 2024.10.09
仙台院の看護師の坂本を中心としたメンバーで執筆した論文が日本受精着床学会に採択されました!
当院はJISART(日本生殖医療標準化機構)に加盟しており、提供精子または卵子を用いた体外受精を実施しております。
日本においては、生まれてくる子の福祉、出自を知る権利など、整備すべき課題が様々にあるということで、本治療を行うことができる施設はJISART施設に限られます。
https://jisart.jp/jisart/about/external/guidline/
このような背景から、一組ずつのレシピエント・ドナーの背景を細かく確認し、ご本人たちに丁寧な情報提供を行い、専任のカウンセラーによるカウンセリングを繰り返し受け、ご本人たちの熟慮期間を設け、さらに倫理委員会による多角的な視点での審査を行い、認められて初めて、当該治療の実施が可能となります。
今回、当院のこうした活動をまとめた論文が、日本受精着床学会という日本における権威ある学会誌に掲載されましたので、紹介させていただきます。
【概要】
「精子又は卵子の提供による体外受精に関するJISARTガイドライン」に沿った初回インフォームド・コンセント(IC),カウンセリング,さらに2回目ICを経て,JISART倫理委員会承認後に提供精子又は卵子による体外受精を行った。提供卵子10組,提供精子2組をJISART倫理委員会に申請し,承認が得られたのは11組であった。
初回ICから2回目ICまでの熟慮期間は平均141日,2回目ICからJISART倫理委員会承認までの期間は平均130日であった。卵子は8組が被提供者妻の姉妹,1組はOD-NETからの匿名者,精子は2組とも被提供者夫の兄弟からの提供であった。
妊娠症例は1-2回の採卵ならびに1-2回の胚移植で成立した。患者あたりの妊娠率は91%(10/11),胚移植あたりの妊娠率は75%(12/16),正期産12例であった。
児の性別は女児5名,男児7名,生下時体重は平均3,092g(2,386-3,772g)であった。出自を知る権利や真実告知についてフォローアップ部会でフォローが実施されているが,告知率は約60%であった。
JISARTでは提供者を自身で見つけることが出来た夫婦への対応は可能だが,提供者を見つけることが出来ない夫婦に対しては対応できないため,やむを得ず,国外で治療を受けている患者も多数存在する。適切な法整備や規定により非配偶者間生殖補助医療が広く日本で行えることを望む。
※ここまでが論文の概要です※
概要にも記載のあるように、多くの問い合わせがあるものの、適応になる方は決して多くありません。
その狭き門を通られた方であっても、多くのプロセスがあり、期間としてもおよそ1年弱がかかるものであり、関係者にかかる負担は決して軽いものではありません。
だからこそ、認定施設として、クォリティを確保しながら、この治療が少しでも多くの方に届くように進めていきたいと思います。
生まれてくるお子様をはじめ、レシピエント、ドナーなどの関係者が法の下に守られ、適切な医療を受けられることがなるようにこれからも活動してまいります。
診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)
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