コラム 2024.10.16
こんにちは、生殖医療相談士の越智です。
10月15日19時から、卵子凍結オンラインセミナー「卵子凍結、未来を支えるクリニック選び」を開催し、私は進行役として参加致しました。
今回はセミナーにご参加いただけなかった方に向けて、ごく簡単ではありますが、レポートをお送ります。
卵子凍結は、2010年代から報道などによって「卵子老化」というキーワードが爆発的に広がり、その後様々な企業や自治体が助成をするようになったことで急速に普及してまいりました。
女性の年齢と妊娠率は非常に密接な関係があり、加齢と共に妊娠する確率が下がり、流産する確率は高まります。その結果、一定の年齢を超えると出産できる確率というのは驚くほど急激に低下してしまうことが指摘されていますので、卵子凍結を考える女性は非常に焦っておられる方も多く見られます。
一方で、近年、卵子凍結を実施できるクリニックが急増しましたので、卵子凍結をやるのはよいとして、どのクリニックでやったら良いのか、ということでおおくの方が悩まれています。
タイムリミットを感じる中で、どうやってクリニックを選んだらよいのかがよくわからず、前に進めない。
あるいは、勢いで決めてしまったものの、後になって、「これでよかったのかな」と後悔を感じている。
こういう方が多いのだそうです。
そのため今回のテーマは「卵子凍結クリニックの選び方」といたしました。
理事長の京野から、様々な角度からお話をさせていただきましたが、一つのポイントして、
「卵子凍結というのは妊娠のための1プロセスである」ということではないかと思います。
卵子凍結をする、ということがゴールではなく、当然その後の治療のことも考えないといけません。
本当のゴールは凍結した卵子を用いて、妊娠・出産することです。
そのため、卵子凍結件数をどれほどやっているか、だけではなく、
卵子凍結をした後、融解して使用しますが、その生存率はどれほどなのか(基準は90%以上)。
出産例は10例以上はほしい。同時に経験豊富な医師や培養士、看護師は在籍しているか。
という点をチェックするのが良いのではないでしょうか。
卵子凍結のプロトコールは概ね体外受精の前半部分とほぼ同様のプロセスになります。
体外受精は現在保険適用になっていますので、適正な価格感というのは概ね保険診療を行っているクリニックであればわかるはずです。
その中で当院の場合は一度の採卵で9個程度の卵子を凍結することを一つの基準とした場合に、概算で45万円程度になるのではないかと紹介いたしました。
そのような状況下で、安すぎるクリニック、あるいは高すぎるクリニックというのも存在しています。
安いにせよ、高いにせよ、その根拠がはっきりしていれば良いのですが、そこが不透明な場合には注意が必要です。
例えば、安すぎる場合には、適切な卵巣刺激をしておらず、想定採卵数が少ないなどが考えられたり、高すぎるという場合は高額な薬剤の利用を想定しているなどの場合も考えられます。
当院では、例えば注射剤に関しては、安価なシリンジタイプと高価なペンタイプなどがありますが、患者様に説明をした上で選択いただけるようにしていますし、麻酔についても、局所麻酔・静脈麻酔からご自身で選んでいただけるようにしています。
卵子凍結は少なくとも数年の間は凍結保管を継続していく必要がありますので、その保管料・保管体制は重要です。
多くの場合保管料は年更新となる場合がありますが、凍結個数や本数によって変動するケースもあります。
当院の場合は、凍結個数・本数によらず、一律5万円程度です。
保管体制についても、天災の多い日本ですので安全対策が十分とられているか、なども確認されるのが良いでしょう。
今回のセミナーでは、「卵子凍結クリニックの選び方」ということで、当院の場合の基準をお示しいたしました。
こうした見方以外に、様々な視点があっても良いと思います。参考となりましたら幸いです。
診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)
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