コラム 2023.02.06
男性の不妊治療をしていると、やはりかなりの数の性機能障害(EDや射精障害)の相談を受けます。大学病院勤務時代に調べた際には、30代のED患者のうち半数で不妊の訴えがありました。またタイミングEDなど、通常の性交や自慰は問題なくとも、タイミングをとるときだけプレッシャーからEDになってしまう例も散見されます。
これらは実際は大きな問題であり、タイミングが取れない以上、精液所見が正常でもAIHやIVFなどが必要になってしまいます。
日本ではあまりなじみがありませんが、男性医学(Andrology)と呼ばれる分野があります。多くは泌尿器科医がメインに対応しますが、国によっては皮膚科や精神科なども関わります。
分類としては、ED・射精障害などの「性機能」(Sexual function)と乏精子症・無精子症・精索静脈瘤などの「男性不妊症」(Male infertility)、男性更年期、ホルモンなどの「男性老年医学」(Men’s Health)に分かれます。意外にもすべてを専門とする医師は少なく、それぞれ分野としては別のものとされており、専門家も異なります。
間違いなく言えることは、一般的には、性交渉と膣内射精がなければ基本的に妊娠は成立しません。そのため性機能障害は不妊治療において大きな問題になります。しかしながら前述の通り、性機能の医師は性機能が専門で、不妊の医師は不妊症が専門です。特に不妊症においては男性不妊の専門医が少なく、婦人科医師だけで対応することが多いのが現状です。通常女性しか診療しない婦人科医が、男性の性機能障害を診療するのはいささか大変です。
当院では私が泌尿器科を担当しておりますが、生殖医療専門医に加え、性機能専門医も取得しています。大学勤務時には男性不妊症の患者さんと同じくらいの数の性機能や男性老年医学の患者さんを診療していました。日本でも生殖医療を専門にしている泌尿器科医で、他の男性医学も専門としている医師はさらに少なくなります。産婦人科の先生が性機能に詳しいのは不妊治療に大きく役に立つと思いますが、日本性機能学会の専門医を見ても、産婦人科を専門とするの先生は数人だけです。
以前書いた通り、バイアグラとシアリスが条件付きですが保険適応となりました。当院では保険診療をうまく用いて、総合的な男性医学として男性不妊の診療を行うことを基本としております。
精子の状況だけでなく、様々なご相談に対応できる準備をしておりますので、悩みのある方は一度ご相談いただければと思います。
京野アートクリニック高輪
医師部 田井俊宏
診療科目:婦人科・泌尿器科(生殖補助医療)
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