コラム 2024.06.10
前回も書きましたが、今回の東京のプレコンセプションケアでは必須検査と選択の検査があります。選択検査は受ける方が自由に選べるのですが、男性の場合、ざっくり分けると4つに分かれます。
①精子の検査:精液検査:精液量、精子濃度、総精子数、白血球数、総運動率、前進運動率、正常精子形態率
②ホルモンの検査:テストステロン、LH、FSH、プロラクチン
③性病の検査:B型肝炎、C型肝炎、梅毒、淋病、クラミジア、HIV
④基本検査での異常:腎機能、糖尿、栄養状態、鉄分など
となります。
精液検査は最も直接的に妊娠する力を計る検査です。
どんなに健康でも所見の悪い方もいますし、高齢でも所見のいい方もいらっしゃって、測ってみるまで結果を予測することは難しく、これがわからないと何とも話の勧めようがないとも言えます。
これから妊娠を考えている方は最もお勧めする検査ですが、禁欲期間や体調で揺らぎも大きくなる検査ですので、一度悪くても再検をお勧めします。
また38℃以上の発熱があった場合などは2-3ヶ月所見の悪い状態が続くことがあるので、そういった場合は時期を置いての検査をお勧めします。
再検査でも所見が悪い場合は、精巣の超音波や、後述するホルモンの検査などを行い、精液所見が悪い原因を検索して行きます。結果によって、ご自身の治療をおこなうか、人工授精や体外受精などの不妊治療で対応していくか相談しつつ方針を立てていくことになります。
ホルモン検査は精巣の機能や、精子形成や性欲を下げてしまうようなホルモンが高くないか、男性ホルモンが十分に出ているかなどを計る検査です。
これらのホルモンの異常は直接精子形成に影響したり、勃起や射精の性機能に影響したりします。
精液所見が不良だった方の中にはホルモンに問題がある方もいらっしゃいますので、内服や注射などで治療を行う場合もあります。
B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIVは血液で検査をします。最近は梅毒が増えており、気になる方は行った方がいいかもしれません。どの病気も感染初期に軽度の症状は出ますが、一過性で気が付かないうちに進行している場合もあります。気になる方は検査をお勧めします。
しかし、これらの検査は手術をする前や、不妊治療であるAIHやARTをする前には多くの病院で行っています。そのため、そういった予定のある方や、検査をしたばかりの方は必要ないかもしれません。もし陽性と言われたら、梅毒なら泌尿器科、それ以外なら総合診療科や感染症内科に受診をお勧めします。
クラミジアと淋菌は尿で検査をします。女性は膣からお腹の中に菌が入ってしまい表に出てこないこともあることから、抗体で検査をしますが、精度がやや低いです。しかし男性は尿道の構造がシンプルなので、尿に菌体成分があるかどうかで判断するため検査の感度は高いです。基本的にはこれらの病気にかかると男性は尿道の痛みや排膿など自覚症状が出ますが、最近は症状の少ない場合もあるので注意しましょう。陽性と言われたら泌尿器科に受診しましょう。
一般検査は主に腎機能、糖尿、栄養状態、鉄分の検査です。
男性にとっては、重要視すべきは糖尿の検査です。糖尿病は性機能を悪くしたり、精巣の老化を進めたりします。
以前、いくつかコラムを書いているので、ご参照ください。
最近、若い方でも在宅勤務が増えたせいか、糖尿病を指摘される方を見かけます。異常があれば専門の内科の受診をお勧めします。
https://ivf-kyono.com/column/post-6684
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