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医療コラム

学会報告 2024.12.02

学会報告 AIによる初期胚の評価と予測の精度について

2024年11月14日、15日に名古屋で行われた第69回日本生殖医学会に参加してまいりました。

 

人工知能を用いた胚の評価システムであるiDAScoreに関してポスターにて学会発表を行いました。その内容についてご紹介いたします。

 

体外受精において、胚の選択は重要な要素です。

PGTという技術により、染色体異常の胚を判別する方法がありますが、現在は先進医療Bで登録をされており、実施が限られています。

従来の胚の選択基準としては、ガードナー分類というものがあり、例えば4AA、とか5ABなどのように数字とアルファベットによって表現されています。

この指標も今でも活用されていますが、タイムラプスの技術とAIの技術を最大限に活用し、胚の動的な変化を継続的に観察・評価することができるようになりました。

実際、京野アートクリニック3施設ではAI(人工知能)を活用した「iDAScore」という新しい技術を使用しております。この技術は、胚の質を客観的に評価し、妊娠の可能性を予測するものです。従来、培養5日目以降の胚盤胞のみで使用されていましたが、新しいバージョンでは初期胚(培養2日目3日目の胚)のスコアリングが可能となりました。今回は、初期胚におけるiDAScoreの予測精度について評価いたしました。

初期胚のスコアと培養2日目3日目のスコアの変動値(ScoreF)を組み合わせると、胚盤胞に到達する可能性を高い精度で予測できることがわかりました。

・初期胚でのスコアが高いほど、胚盤胞に到達する確率が上がる

・スコア変動値も予測精度を高める重要な要素である

 

従来の培養士の目による形態的な評価に加えて、初期胚の段階からiDAScoreを活用することでより妊娠の可能性の高い胚を移植胚に選択できる可能性が示唆されました。

 

今後も研究を進め、より質の高い医療を提供できるよう努めてまいります。

当院では積極的にAI活用を進めており、参考となるコラムも合わせて紹介させていただきます。

「iDAScore®の妊娠予測性能の検討」@第42回日本受精着床学会

―不妊治療×AIコラム― 培養士と患者さんへの向き合い方や医療DXとChat GPT導入背景と実際

着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)について[ 2022年9月改訂]


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