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医療コラム

学会報告 2026.08.10

学会報告 初期胚におけるAI評価を用いた妊娠・出生予測

2026年7月5日から8日にイギリス・ロンドンで開催されたESHRE 42nd Annual Meeting、7月30・31日に東京・新宿で開催された第44回日本受精着床学会に参加してまいりました。

 

ESHRE(ヨーロッパ生殖医学会)は、不妊治療や体外受精、生殖医学に関する世界有数の国際学会です。ヨーロッパを中心に、世界各国の医師、胚培養士、研究者などが参加し、体外受精、胚培養、着床、遺伝学、男性不妊、妊孕性温存など幅広いテーマについて最新の研究成果が発表されます。

 

今回、ESHREではポスター、受精着床学会では口頭にてiDAScoreに関して発表を行いましたので、その内容についてご紹介いたします。

 

体外受精では複数の受精卵の中から、より妊娠・出産につながる可能性が高い胚を選択して移植することが重要です。

従来の胚の評価は、細胞の数や形、分割の状態などを培養士が観察して判断する形態評価が中心であり、例えばガードナー分類という分類法が広く使われています。4AAとか5ABなどのように表現されているのをご覧になったことがあるかもしれません。

こういった形態評価にプラスして、近年では胚のタイムラプス画像を基にAIによるスコアリングも利用されるようになっています。

その一つがiDAScoreです。

 

iDAScoreは、AIが胚を1.0~9.9の数値で評価し妊娠の可能性を予測するシステムです。

京野アートクリニック3施設ではこちらを使用しており、過去にもiDAScoreに関する様々な研究を行ってきました。

仙台院コラム「タイムラプスインキュベーターに搭載された人工知能は有用か?」

「iDAScore®の妊娠予測性能の検討」@第42回日本受精着床学会

多核胚においてもiDAScoreは有用か?@第66回日本卵子学会

IVF学会報告 初期胚のiDAScore™が胚盤胞到達予測に活用できるか

今回の研究では、培養2日目、3日目のiDAScoreの変化量(ScoreF)に注目しました。

以前の研究で初期胚のスコアとScoreFを組み合わせることで胚盤胞に到達する可能性を高い精度で予測できることを発表しており、(学会報告 AIによる初期胚の評価と予測の精度について)今回は妊娠・出生の予測について検討を行いました。

 

・iDA Scoreは妊娠、出生と有意な相関があった。

・D3ETではScoreFで妊娠予測、出生予測の精度がiDA Scoreより高かった。

・胚盤胞移植の妊娠、出生予測は、ScoreFに有意な予測能は認められなかったが、

D6ETにおいてはScoreFを加味することで妊娠予測能が改善した。

各胚齢における妊娠予測のAUC。

予測の当たりやすさを示す指標で、1に近いほど予測精度が高いことを表します。

 

iDAScoreの変動値の動態解析をすることで移植胚選択の最適化に寄与する可能性が示唆されました。

 

今後も研究を進め、より質の高い医療をご提供できるよう努めてまいります。


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